HISゴールデンウィーク 旅行予約動向
海外・国内ともに上位のランキングは変わらず、5月3日出発が人気
2024/04/04
株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都港区 以下、HIS)は、今年のゴールデンウィーク(2024年4月26日~5月6日、以下GW)の予約状況から、旅行動向について下記のとおりにまとめました。
【調査方法】
調査日:2024年3月25日
調査対象:HISにて対象出発日(2024年4月26日~5月6日)の旅行をお申込みの方
対象商品:HISのツアー、ダイナミックパッケージ、航空券(宿泊のみは除く)
※順位は調査日時点でのキャンセル数などを除いた予約人数から算出
市場環境
新型コロナウイルス感染症の5類引き下げからおよそ1年が経過し、遅れていた日本に乗り入れる国際線の提供座席数は大幅に増加し、地方空港でもアジアを中心に国際旅客定期便運航が再開されるなど、供給はポジティブな環境であるといえます。その一方で、出国日本人数(アウトバウンド)は円安や燃油サーチャージの高騰、世界的な物価高騰など逆風も影響してか弱含みで、活況なインバウンドとのアンバランスな状況になっております。国内をみますと、物価上昇の基調は鈍化しつつあるものの高止まり傾向にあります。長引く物価高も影響し、2024年春闘における賃上げ率は平均で5.25%(3月22日発表時点)と、30年ぶりの高水準となった前年を大幅に上回りました。
GW日並びの様子
今年のGWは4月27日から開始し、「昭和の日」である29日までが3連休、その後に平日が3日続き、「憲法記念日」である5月3日から振替休日の6日までの4連休となります。平日3日間を休むことができれば最大10連休となりますが、近年はカレンダー通りの休みとなる企業が多く、大型連休とは言いづらい日並びとなっております。
比較対象とする前年は、同期間では4月29日・30日の土日から始まり、その後に平日が2日続き、5月3日から5連休の日並びでした。コロナ前との比較としては、土日祝日のみで10連休だった2019年ではなく、2018年を参考値にします。
海外旅行
サマリー |
海外旅行予約者数全体では前年同期比で123.2%と、昨年に引き続き増加しているものの、コロナ前の2018年比では53.3%となっております。昨年の夏休み、年末年始と、繁忙期における予約者数は着実に増加しているものの、コロナ前と比較すると大きな回復は見られず、海外旅行市場の活性化には至っておりません。
1位~5位までは前年と同じ順位の旅行先が並びました。旅行先それぞれの根強い人気が伺えます。7位には今年7月~8月にかけて、4年に1度のスポーツの競技大会が開催されるパリがランクインしています。大会が繁忙期である夏休みと重なることもあり、既にこの時期の宿泊費用は高騰、且つ取りづらくなっていることから、夏に計画していた旅行をGWに変更された傾向も見受けられます。
地域別でみれば、全地域で予約者数は前年より増加しており、中でも、中近東・アフリカ地域が前年同期比で132.0%、オセアニア地域が130.6%、アジア地域が127.8%、ヨーロッパ地域が119.8%と、二桁の増加をしております。アジア地域の内訳としては、東アジア地域が135.3%、南アジア地域が114.1%となっており、韓国、台湾のボリュームゾーンが拡大するとともに、フランスやイタリアのような、価格帯が高めな長距離路線も増加していることが判りました。
伸び率が急上昇した旅行先としては、GWに日本発着クルーズの寄港地となっているチェジュが大幅に増加し、前年同期比で1,502.1%となっております。続いて、コロナ禍で回復が遅れていた香港が452.8%、上海が414.3%と、上位にランクインしております。いずれも、ディズニーリゾートがある都市で、ツアーで申し込みの方の多くがディズニーランドのパークチケット付きプランとなっております。上位ランキング外ではありますが、日本人野球選手が所属するチームの本拠地があるロサンゼルスも159.7%と増加しており、注目度の高さが伺えます。
海外旅行の平均旅行日数は6.0日間で前年(7.0日間)より1日短くなっております。出国ピークはGW後半、4連休の初日となる5月3日、帰国ピークはGW最終日の5月6日となっております。海外旅行の平均単価は前年同期比98.5%の204,900円で、ほぼ同水準となっております。
国内旅行
サマリー |
国内旅行予約者数全体では前年同期比で76.4%。平均単価は前年同期比109.4%の102,900円となっております。今年は国内旅行の予約のタイミングが遅い傾向にあり、3月に入り尚GW出発の予約の動きがあります。国内線運賃が変動制(ダイナミックプライシング)になったことにより、早期予約が主流となり、間際の予約は高額化の傾向がある中、夜便利用や平日を絡めるなど、まだ取れる旅行先に予約が入っております。
1位には不動の人気を誇る沖縄県がランクインしております。沖縄県は平均単価が前年同期比104.7%の121,900円と、航空運賃の高止まりの影響を受け、上昇傾向が続いています。国内旅行の上位も前年と同様の旅行先が並び、コロナの影響が抜けた平時の状況となっております。
国内旅行の伸び率が急上昇した旅行先としては、HISがGWに企画している出雲大社の団体祈祷と八足門(やつあしもん)の特別参拝が組み込まれたツアーが好調な島根県が前年同期比で173.7%となりました。2位にランクインした香川県は、繁忙期でも比較的安価であったことから予約者数が増加しました。香川県の平均単価は前年同期比95.8%の87,700円でした。
出発ピークは海外旅行同様でGW後半の5月3日、UターンラッシュはGW最終日の5月6日となります。
関東発の日帰りバスツアーの人気旅行先としては、美しい藤の楽園として有名な「あしかがフラワーパーク」や例年見頃を迎える約50万株の芝桜が富士山麓に咲き誇る「富士芝桜まつり」など、旬なイベントが盛り込まれたツアーが人気となっております。その他にも、「富士サファリパーク」や「鴨川シーワールド」、「マザー牧場」、「ムーミンバレーパーク」などが組み込まれたツアーは、お子様連れのファミリーや若年層に好まれる傾向にあります。
HIS GW特集 https://www.his-j.com/season/goldenweek/
※データを引用する場合には、出典(HIS「2024年GW旅行予約動向」)の表記をお願いします。