2022年ゴールデンウィーク旅行予約動向
国内旅行は回復傾向にあるがコロナ以前には及ばず
2022/04/12
株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都港区 以下、HIS)は、ゴールデンウィーク期間(2022年4月29日~5月5日 以下、GW)の予約状況から旅行動向について下記の通りまとめました。
<市場環境>
3月21日をもって「まん延防止等重点措置」が全面解除され、街中をみてもコロナ以前の日常が戻りつつあります。昨年のGWはワクチン接種が進んでおらず、移動制限をはじめ大小にかかわらず様々なイベントが自粛される、いわゆるコロナ「禍」の時期でしたが、現在はコロナに対する対処がある程度確立され、「ウィズ」コロナの様相に変化しております。残念ながら、現在もなお新型コロナウイルスは日本だけでなく世界中で存在しており、流行と落ち着きを繰り返しておりますが、今年は新たなステージに踏み出す年になるのではないでしょうか。
国内旅行においては、先述の「まん延防止等重点措置」の解除を受け、県民割・ブロック割が実施され、近距離旅行から需要が緩やかに回復しております。海外旅行においては、2022年3月以降、水際措置の見直しによる待機免除の国が増加し、入国後に3日間待機隔離が必要な国は残り7か国となりました。4月には106か国の感染症危険情報レベルが引き下げられ、いよいよ双方の国の往来再開に向け動きが出て参りました。
<国内旅行>
国内旅行全体では前年同期比126%と、緊急事態宣言が発出していた昨年と比較し好転はしているものの、コロナ以前に比べ回復にまでは至っておりません。ランキングに入った旅行先に大きな変化はございませんが、順位はテーマパークが目的と考えられる地域が昨年から順位を上げております。ランキング1位の沖縄県のご予約の内訳としては、本島滞在予約が減少した一方で、宮古島、石垣島など離島は前年を超える数値となっており、さらに、選ばれるホテルも高級ホテルが好まれる傾向になっていることから今年はよりリゾート感ある滞在、ホテルライフを求める需要が多いと推察されます。昨年よりランキングを大きく伸ばした大阪府は、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を主目的とされたお客様も多く、「スーパー・ニンテンドー・ワールド™」をはじめとする豊富なアトラクションと、「ユニバーサル・クール・ジャパン2022」として数々の人気作品とコラボした企画など、例年以上に注目されております。関西圏ではバスツアーの需要も高く、7年に1度の盛儀「善光寺」の前立本尊御開帳のコースが人気です。5位には長崎県がランクインしております。今年30周年を迎えた「ハウステンボス」を絡めたツアーでのお申込みも多く、ハウステンボス直営ホテルの予約数が前年比906%と、滞在時間も伸びる傾向が見られます。
今年の予約の特徴として、ご予約時期が遅いことが挙げられます。コロナ以前は、訪日市場が活発だったこともあり、予約のタイミングは年々早期化しており、国内旅行は早期割引も適応となる出発日の60~30日前までに予約の動きが見られました。今年は感染の状況などを間際まで確認しながら予約される方が多く、GWについても4月に入ってからの予約数が増加しております。
伸び率順では、和歌山県が最も高く前年725%という数値となりました。県内有数の観光地「アドベンチャーワールド」には2020年11月、ジャイアントパンダの楓浜が誕生し一般公開されており、今月よりいよいよ独り立ちした姿を見ることができます。2位には千葉県がランクインしており、入場者数の制限が緩和された「ディズニーリゾート」の需要回復とみられます。かぞく旅行が多いGWならではの動きとなっております。
<海外旅行>
海外旅行全体では前年同期比507%と、大きく伸びております。日本の入国制限の緩和と共に、各国の入国制限も変更されつつあることが大きく影響しているものとみられます。ワクチン接種証明やPCR検査、現地到着と帰国時の隔離など、コロナ禍により必要となった条件が海外渡航の煩雑さと必要経費として大きなネックとなっておりましたが、昨今では、これらの条件を全て撤廃し、コロナ以前と同じ入国条件にする国も複数出てまいりました。日本でも各国の感染症危険レベルを引き下げるなど、状況としては好転を迎えております。
予約者数ランキング1位は、ハワイがランクインしております。ハワイは3回目のワクチン接種が完了していれば日本帰国時に待機隔離が免除となっております。ハワイ入国についても、フォームへの事前登録とPCR検査での陰性証明が必要でしたが、事前登録が不要となり陰性証明も抗原検査も認められるようになり、費用を抑えることが可能になりました。ハワイ以外でも、各国の入国条件は日々変更されており、国際往来の再開に向けて踏み切る姿勢がみうけられます。
<出発日>
今年のGWのご旅行は前半組(4月29日~5月1日)と後半組(5月3日~5月5日)に二分されております。国内旅行の需要が高いこともあり、予約全体の約7割のお客様が3日間以内の短期のご旅行となっており、GWの休暇を前半と後半に分け、ご旅行と自宅でゆったり過ごされるお考えの方が多くみうけられます。
混雑のピークはGW初日の4月29日、Uターンのピークは5月5日、5月8日となっております。
<調査概要>
調査日:2022年3月31日
調査対象:HISのツアー、ダイナミックパッケージ、航空券
調査対象出発日:2022年4月29日~5月5日 / 前年同期対比、前年は2021年3月31日時点のもの
記載の出入国条件は2022年4月12日現在のものです。