「3.11を忘れない」岩手バスツアーを開催

HISスタディツアーデスクでは、現在も継続的に東日本大震災から学ぶ東北スタディツアーを企画・実施しています。
東日本震災発生後すぐは、がれき撤去のボランティアバスの運行から始まりました。がれき撤去が落ち着いた後は、原発事故による放射能汚染で避難を余儀なくされた飯舘村や、風評被害に苦しむ福島の有機農家の方々を訪問し交流するスタディツアーを継続的に実施をして、多くのお客様に災害を自分事として感じていただき、地域の人々と繋がるきっかけを提供してきました。その功績を認められこのツアーは2017年にツアーグランプリを受賞しました。その後も福島・宮城・岩手でスタディツアーを実施し、コロナ禍の行動制限期間中においてもオンラインツアーで地域と繋がり続けました。

2023年3月には「3.11を忘れない 岩手バスツアー」を開催しました。ツアーでは、三陸鉄道・震災学習列車を貸切運航し、三陸鉄道社員、沿線住民の方より、車内にて震災当時のお話を伺ったり、復興の象徴である釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムの見学やその地域の児童・生徒達が避難をした道を実際に辿りながら、釜石の復興支援に取り組まれている方より震災当時の様子をお話を伺いました。2024年は、家族でも参加しやすいよう、3月の春休み時期にツアーを行います。

東北スタディツアーは募集型企画旅行として一般に広く販売し、これまで全国各地から多くの方に参加をいただいてます。月日が経った今も尚、参加者の多くは、初めて震災後の東北を訪れる方です。訪れてみて初めて分かる事・感じる事、そして東北の方々と交流して気づく事。震災からの学びだけでなく、豊かな自然や食、人々の温かさなど東北の魅力を感じる旅として好評をいただいています。

震災の事を知らない、覚えていないという若い世代も増えてきました。ツーリズムを通して、地域・社会との共生をはかるために私たちが出来る事として、震災からの学びを伝えるスタディツアーを今後も続けてまいります。

参加された方々のお声
参加された方々のお声

・震災学習列車内で、外から列車に向けて手を振る地元の方々を観ていて、三陸鉄道が地域にとって特別な存在であると感じました。
震災後の新しい防波堤は高さがある一方で美しい景観が見えにくくなっていることに複雑な気持ちを抱いてしまいました。これは現地に訪れて初めて感じたことです。(30代/社会人)

・実際に避難経路を歩く体験をして、小中学校の先生や生徒さんの生きる力への頑張りと地域のみなさんの疎通が本当に良かったなあと感動しました。(60代/社会人)

・聳え立つ防波堤やぼろぼろの震災遺構を前にし、12年前の大震災が実際に起こったことだったのだと、改めて感じました。現地の方々の当時のお話を聞く中で、口をそろえて「皆さんの大事な人を守るために、この出来事を教訓としてください。」というメッセージを送ってくださったのが印象的でした。私も私自身と私の大切な人を守るために、ツアーで見て、聞いたことを伝えていきたいです。(30代/社会人)

企画担当者の想い
企画担当者の想い 企画担当者:津村 夏希(スタディツアーデスク)

★なぜこのツアーを実施しようと思ったのですか。
12年も経つとメディアでの取り扱いも少なくなり、震災のことを考える機会というのも徐々に減っているなという実感があったため、自分たちができることを考え、震災当時の様子と今の東北の様子を見てもらえるようなツアーを実施しました。
地震という自然災害とは切っても切り離せない日本での生活において、未来に備えるためにも東日本大震災の出来事は誰もが教訓にしていくべき事だと思います。そこで、実際に被災地へ足を運び、当時の様子だけでなく、被災から12年の軌跡や未来への取り組みを知り、自分の目で見ていただくことで、自分事として震災について考え、備えるきっかけになればと思っています。

お迎えをしてくれた三陸鉄道の方々
お迎えをしてくれた三陸鉄道の方々

★実際、ツアーに参加して感じたことは何ですか。
3月11日という日にその地に行った、ということもありますが、どこに行っても地域の方が、本当に口をそろえたように「来てくれてありがとう」と言ってくださったのが印象に残っています。震災から日が経つにつれて、やはり訪ねてくる人は少なくなっているそうで、震災という出来事が忘れられていく事への恐怖を覚えました。また、案内してくれる方も仰っていましたが、震災を知らない世代が増えてきている中で、それを語り継いでいく重要性や、どうやって語り継いでいくかを考える必要があるなととても感じました。

お迎えをしてくれた三陸鉄道の方々
お迎えをしてくれた三陸鉄道の方々
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