
6年ぶりの再開「LeaLeaチャリティラン」、地域貢献・「マラマハワイ」の精神を繋ぐ
2011年よりハワイで開催しているランニングイベント「LeaLeaチャリティラン」。東日本大震災で被災した子どもたちへの支援を目的に始まり、その後はハワイの恵まれない環境の若者や学生など地域コミュニティへの支援をし、これまで9回実施してきました。コロナ禍による休止期間を経て、2025年10月に6年ぶりに開催することが決定したこのイベントについて、HISハワイ法人の平さんに話を聞きました。
あらためて「LeaLeaチャリティラン」について概要を教えてください
イベントを始めたきっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災です。当時、震災の報道はハワイでも大きく取り上げられ、日系人が多いこともあり、現地コミュニティから多くの支援の声が寄せられました。そこで、被災地で大変な思いをされている方々に対して、何かサポートができることはないかと、HISハワイ法人が主催となりチャリティイベントの企画を立ち上げました。当時、私は入社したばかりのタイミングでしたので、5カ月後の8月にイベントを開催するというスケジュールは試行錯誤と迅速な行動力が必要でした。公園の使用許可申請など全てが初めての経験でしたが、復興の一助にという思いが会社全体を一つにし、第1回の開催が実現しました。第1回は、被災地の中学生をハワイに招待する「ハワイ・レインボーキッズ・プロジェクト(Rainbow For Japan Kids)」への寄付を目的として開催しました。2014年以降は、オアフ島に住む恵まれない環境の若者に対して文化支援・キャリア準備を提供するプログラム「Boys & Girls Club of Hawaii」や、地元の学生たちに学用品を寄付する活動を行っている団体「Kahoomiki Hawaii」など、ハワイの地域コミュニティへの寄付に形式を変え、これまで9回実施してきました。これまでの参加者の約9割がローカルの方で、日本人は約1割。ファミリー、会社員、シニアなど、幅広くご参加いただいております。

2017年大会 ゴール時のショット
6年ぶりの開催となる今年の第10回は、ビーチクリーンアップや参加費を全額ハワイの海洋保全に取り組むワイキキ水族館へ寄付することで、地域住民、観光客全ての方に、ハワイの魅力を感じ、地域社会に貢献できる「マラマハワイ*」の機会を提供できるイベントとなっています。
思い出に残っている「心躍る」エピソードなどありましたら教えてください
このイベントは、普段接点のない様々な職種のローカルの参加者と交流できることが魅力のひとつです。コロナ禍により数年休止していた際も、イベントの復活を望む声が多数寄せられ、何とかして再開させたいと強く思ったこと、またリピーターも多く、過去の大会のTシャツを全て持参して、嬉しそうに見せてくださったことも「心踊る」エピソードのひとつです。

2019年大会 1位入賞者のショット
最近では、日本からお越しになられたお客様がラウンジにお立ち寄りくださり、10月のイベントには来られないものの、チャリティランに寄付をしたいとのお申し出をいただきました。イベント告知がまだ十分でない状況でのお申し出に、これまで取り組んできてよかったと感動し、まさに「心躍る」エピソードとなりました。
プロジェクトで心掛けていることはどのようなことでしょうか
普段の業務では関わることのないコミュニティへの告知を積極的に行うことを心掛けています。地元のランニングコミュニティへのチラシ配布、ランニングショップへのポスター掲示、地元の学校やスーパーへの告知などを行っています。また、社内の様々な部署に声を掛け、早い段階から協力を依頼することで、部署間の垣根を超えた一体感が生まれています。ハワイでは、コロナ禍以降リモートワークが定着し、在宅勤務するスタッフが多いです。普段は異なる部署や場所で働くスタッフが準備のためにミーティングを重ね、一丸となってイベントの成功を目指すことでコミュニケーションの活性化と連帯感を生み出し、社員エンゲージメントの向上にも繋げていければと思っています。

今後、「マラマハワイ」を推進していくために、開催を検討しているイベントなどはございますか
今年の第10回は、参加費を全額ハワイの海洋保全に取り組むワイキキ水族館へ寄付します。これは、HISとして参加者へ投げかける「マラマハワイ」のメッセージでもあります。今後、ワイキキ水族館と連携して、持続可能な旅行体験や教育、海洋保全に繋がる新たな観光モデルを協業して開発していきたいと考えています。直近では、8月の大型団体の案件で、ワイキキ水族館のバックヤードツアーをオリジナルコンテンツとして実施します。12月のホノルルマラソン期間中においては、ワイキキ水族館とコラボレーションしたビーチクリーンアップとバーベキューのプログラムを造成し販売する予定です。
HISハワイ法人は、「マラマハワイ」の精神である、「ハワイへの思いやりの心」を持ち、リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)の認知拡大に共感し、これまでもアラワイ運河を浄化するプロジェクト「ゲンキ・アラワイ・プロジェクト」やビーチクリーンアップ等、持続可能な観光プランを提案してきました。今年のチャリティランを機に、ワイキキ水族館と連携した「マラマハワイ」のプログラムを、日本の観光客の方々へ提案していきたいと考えています。また、ワイキキ水族館だけでなく、現在、LeaLeaラウンジでは「マラマ・ステーション」を設置し、歴史や文化を学べる機会を提供したり、環境に優しい日焼け止めを提供する等の活動を行っています。様々な角度からハワイを感じてもらえるよう、地域との交流や文化体験を日本の観光客に提案し、ハワイの自然を大切にする心を育むことに繋げていきたいです。
これからの「LeaLeaチャリティラン」開催における目標についてお聞かせください
コロナ禍前のように、毎年開催されるHISハワイ法人の恒例行事にしたいと考えています。より多くのローカルの方々に参加していただくとともに、日本からの団体旅行のお客様にはチームビルディングの一環としてご提案を行っていきます。また、個人のお客様に対しても、ハワイに到着後お申込みいただける環境を構築することも検討しています。ランニングイベントとしては、スポーツと音楽をダブルで楽しもうという新感覚のリゾートイベント「ホノルル駅伝&MUSIC」も2018年まで実施していました。当初、チャリティランとホノルル駅伝を年2回の恒例イベントとして開催していく予定でしたが、ホノルル駅伝もコロナ禍により休止を余儀なくされました。今年は「LeaLeaチャリティラン」のみの開催となりますが、今後は「ホノルル駅伝&MUSIC」も復活させ、両イベントを通して地域コミュニティとのさらなる関係構築に繋げ、ハワイリピーターはもちろん、より多くのお客様にハワイにお越しいただき、「マラマハワイ」の精神を繋いでいきたいと考えています。
LeaLeaチャリティラン5K by HIS
https://runsignup.com/Race/HI/Honolulu/LeaLeaCharityRun5K*マラマハワイ・・・ハワイ語で「ハワイを思いやる心」を意味します。HISは、ハワイ州観光局日本支局と自然環境、伝統・文化を守り、地域と観光客が共に持続的な社会を作り上げていく「リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」を促進すべく、「マラマハワイ」の推進に向けたパートナーシップ協力覚書を締結しております。
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平 琢磨
Hawaii HIS Corporation(HISハワイ法人)
Group/Event Manager2011年入社。入社時より、グループ・イベント一筋でこれまで数多くの大型企業案件やスポーツイベント、ファンミーティングなどのイベント業務を担当し、現在に至る。
※記事の内容はインタビュー当時のものです。