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子どもたちの体験格差の解消にオンライン「おしごとけんがく」で未来の可能性を広げる応援を

子どもたちの体験格差の解消に
オンライン「おしごとけんがく」で未来の可能性を広げる応援を

2025/07/28

社員インタビュー
地域社会との共生

「おしごとけんがく」はこども向けに実施している職業紹介プログラムで、気軽に参加いただけるようオンライン配信サービスを使い、学校の休み期間に開催しています。未来を担うこどもたちが選択肢を幅広く持ち、楽しく知見を高めてもらうことを目的とし、2022年の開始後これまでに7回開催し、累計で約4,900名の方にご参加いただいています。プログラムを手掛けた山本さんに話を聞きました。

あらためて「オンラインおしごとけんがく」について概要を教えてください

HISには、旅に関することだけでなく世界への関心を持ち続けていただくコミュニティとして旅のオンラインサロン「TABIFLEEEEEK」があり、メンバーの皆さんで自由な意見交換の場として活用いただいています。そのメンバーさんから「こどもたちに、普段触れられないような世界を見せられる場を作れないか」という提案がありました。コロナ禍の所得の減少などにより経済格差が広がったことや、お住まいの地域により幼少期に受けられる体験機会の差が、いま、こどもの体験格差として社会問題になっています。これらを少しでも和らげることに繋がればと、こども向けに職業見学をオンラインで実施しよう、と2022年からはじめました。

コロナ禍を経てあらゆる事がオンライン化されていたこともあり、オンラインで実施することで、立地的な制限や参加にかかる時間、費用など障壁を低くすることができるのではないかと考えました。参加費は無料で、先着人数などの設定もなく、開始1時間前までお申込みを受け付けられる柔軟性も、オンライン実施の魅力といえます。対象年齢は5〜8歳の「低学年向け」と9〜12歳の「高学年向け」でプログラムは分けており、低学年向けは保護者の方とご一緒に参加される場合が多いです。年齢によりプログラムを分けている理由としては、小さなおこさまが楽しく飽きずに参加いただける時間としては30分が目安と考えたからです。一方で、高学年向けには、より具体的に職業が描けるような内容にしており、時間も1コマ45分としています。ただ、対象年齢は目安ですので、ご希望があればご参加いただくことは可能です。

こども達が普段出会うことができる学校の先生などの職業以外にも、世の中には多くの職業があることを知り、社会の楽しさや繋がりを学校や家庭以外の大人と交流することで、より知見を広めていただくことは将来の選択肢を増やすことにも繋がると考えています。

多岐にわたる職業の方にご協力いただいていますが、どのようにお声掛けをされたのでしょうか

  • 第1回はオンラインサロンのメンバーさん自ら出演にご協力いただきました。「おしごとけんがく」の運営メンバーでもある皆さんは、お住まいも職業もバラバラですが、こどもたちへの共通の想いがあります。その後はメンバーさんの伝手や、アンケートでご要望があった職業の方へ直接ご相談させていただいております。有難いことに、この取り組みと目的に賛同いただき、これまで多くの職業の方にご出展いただきました。

  • オンラインサロンの皆さん

    運営メンバーでもあるオンラインサロンの皆さんと

プログラム内容は基本的には出展いただく方に委ねておりますが、こどもたちが一緒に体験できる枠を設けていただくこと、質問など双方向でやりとりいただくことをお願いしております。インタラクティブな交流がしやすいように、ハンドラーとして司会を動物のアバターで入れています。チャット欄を随時見ながらお話するのはなかなか難しいので、こういったところを補助する役割です。アバターにしている理由は、こどもに興味を持って映像を見ていただきたいからです。カメラオフの黒画面から声だけが聞こえる案もありましたが、邪魔にならない程度で画面に集中してもらい、エンタメ感もプラスさせることができるアバターで落ち着きました。体験については、例えば医師の回では、手あらいのやり方を教えていただきました。ケーキ屋さんの回では、りんご磨きをみんなでやりました。メスの持ち方や、ケーキのデコレーションなど、より職業にちなんだ体験もあるかと思いますが、日常の延長線で再現できる体験にすることで、普段の生活で、ふとその機会があったときに思い出して実践してもらえるとうれしいなと思っています。

以前は旅行事業に関連したお仕事をされていましたが、オンライン事業に異動された時の心境は

海外旅行のツアー企画、広告制作を経て新規事業であったオンライン事業に異動しました。企画も広告もゼロベースから作る、ということは同じで、ゼロから作り上げることが好きなこともあり、新規事業に携わることに不安は全くなく、むしろ楽しそうだなという思いでした。当時はコロナ禍で、会社もこれまでにない事業を推進しようと動き始めており、その一つに参画できるのは嬉しかったです。

私が担当することになったのはオンラインでコミュニティ接点を増やすオンラインサロンの運営でした。デジタルの発展により様々なサービスが台頭するなか、HISがこういうファンベースの場をつくるというのはすごく良いなと共感しました。オンライン事業は日本のみならず世界中どこからでも繋がることができるため、関係性が広がったと感じます。また、オンラインでなければこの「おしごとけんがく」も実施できなかったと思いますし、可能性を広げることにオンラインの活用というのは大きかったと思います。

インタビューの様子

ご参加いただいたお子さん、出展者さんからの反響はいかがでしたか

こどもたちからは、「勉強になった、楽しかった」「将来絶対に医師になりたいと思った」といった、職業への興味や楽しさを伝える声が多数寄せられています。また、ある保護者からは、「こども以上に私が感動しました」という感想もいただきました。様々な職業のプロに触れることで、新たな発見や感動を体験していただけたと感じています。出展いただいた方からは「どういう目的で、どういうことが楽しくて今この仕事をしているのか、ということを立ち止まって考えるきっかけになった」というお声や、「自分が話していることが、もしかしたらこどもたちの将来の何かに役に立っているんだと感じることができた」というお声をいただきました。出展いただいた方々にもアンケートをいただいているのですが、"再度参加をご希望"とお答えいただいた方が100%なんです。こどもたちだけでなく、相互に刺激しあえる場になるとは想定していなかった喜びです。

プログラムで心がけていることはどのようなことでしょうか

常に心がけているのは、こどもたちが「心躍る」体験を通じて、将来の夢を具体的に描けるようにすることです。そのためには、学校や家庭では得られない多様な職業や大人に接する機会を提供し、こどもたちの知的好奇心を刺激することが大切だと考えています。どんな小さな質問にも大人が真剣に向き合い回答することで、こどもたちが安心して質問し、学びを深められる環境づくりができるよう努めています。

運営メンバーの方と一緒に

運営メンバーの方と一緒に

これからの抱負や目標があれば教えてください

まずはこの「おしごとけんがく」を多くの方に知っていただきたいなと思います。これからも体験の機会を創出し、こどもたちの体験格差という社会課題を少しでも低減できるよう、持続可能なプロジェクトとして継続していくことを目指していきたいと考えています。こどもたちが多様な職業に触れることで、自身の可能性を広げ、自由に未来を選択できる社会の実現に貢献していくことが、このプロジェクトの大きな抱負です。

次回は今年のお盆あけの8月に開催を予定しており、約15種類ほどのプログラムを組んでいます。参加いただいたこどもたちに実りある体験であったと感じていただけるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。

おしごとけんがく

https://oshigoto-kengaku.com/
  • プロフィール画像
  • 山本 晋子
    株式会社エイチ・アイ・エス
    新規事業統括本部 未来創造室 Community Businessチーム

    2005年入社。営業所でのコンサルタント、ハワイや欧州のツアー企画、広告のクリエイティブ制作を経て現職。新しい接点の場として、HISのオンラインサロン「TABIFLEEEEEK」を運営。

    ※記事の内容はインタビュー当時のものです。