2019年夏休み 海外旅行予約動向

人気急上昇トップ3はトルコ・ロシア・ミャンマー

2019/07/04

 株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都新宿区 以下、H.I.S.)は、夏休み(2019年7月13日~9月30日)の予約状況から、海外における旅行動向について下記のとおりまとめました。

 

H.I.S.夏休み 海外旅行人気ランキング

話題のハワイが1位

 自由旅行、パッケージツアー、総合予約の全部門においてホノルルが1位となりました。ANAが今年5月24日より、世界最大の旅客機A380を成田-ホノルル線に就航させたことも影響し、夏季スケジュール日本発着ホノルル線の座席供給量は前年比+5.6万席 (注1)と大きく増加しております。H.I.S.における7~9月のANA利用も前年比約2.3倍と増加しており、ホノルルにおけるANAシェア率が高まっております。
(注1):ANA総合研究所「2019年度夏季スケジュール国際線航空輸送座席供給量」より

 地政学リスク、減便などが続き、渡航者が減少していたグアムですが、今年は前年を上回る予約があり、需要回復が見受けられます。H.I.S.では夏の繁忙期に向け、7月20日~9月12日の期間、成田-グアム線のチャーターを毎日実施することで、座席供給量の増加を図っております。二大人気リゾートであるハワイ、グアムの夏のチャーター企画は前年比151%の座席供給量で仕入れの強化を図っております。

 総合5位に入ったシンガポールは、今春公開の劇場版「名探偵コナン~紺青の拳」とタイアップした公式ツアーに多くのお客様からご予約をいただき、ランキングを押し上げました。20~30代の女性が牽引しており、現地で走らせている映画の舞台を巡る「コナンラッピングバス」も満席が続き、急遽2台目を7月24日より投入し、一人でも多くのお客様に楽しんでいただけるよう努めております。

 3月末よりファミリー専用のツアー商品を発売しておりますが、ダナンの急成長が見られます。最近では、ホーチミン、ハノイのご予約数を上回り、ベトナムの中でも1番の観光地として成長しております。H.I.S.では、ファミリー専用ツアー商品にキャンセルに伴う取消料が補填される保険「H.I.S.キャンセルサポート」を特典で付けております。小さなお子様連れのファミリー旅行の場合、突然のお子様の発熱など予期せぬ事態により旅行を取りやめなければならない不安などがありますが、お客様からは「この保険が付いていることから予約の後押しになった」というお声を頂戴し好評です。

 

最大9連休のお盆に注目

 今年のゴールデンウィークは、10連休効果により過去最高の出国者数となり話題になりましたが、日並びの良さはゴールデンウィークにとどまらず、お盆、年末年始も同様となっています。お盆は最大9連休ということから、今年の予約動向も人気出発日上位は軒並みお盆出発がランクインしております。

 

夏休み 予約急上昇ランキング

前年比約3倍と復調のトルコが首位

 地政学リスクにより観光需要の減少していたトルコは近年回復しており、昨年の伸び率3位(前年比254%)に続き、今年は1位となりました。トルコへの外国人旅行者数は、現地通貨の下落や治安改善により2018年は過去最高の3,948万人に達しており(注2)、世界中からの観光客の来訪により、イスタンブールのホテル稼働率は欧州方面の中でも好調です。
(注2):トルコ文化観光省より

 2位には極東ロシアのウラジオストクがランクインしました。日本から直行便で約2時間半、時差は1時間と、「日本に一番近いヨーロッパ」として、今女性を中心に人気の都市です。通常、日本国籍の方が渡航する際にはビザの取得が必要なロシアですが、ウラジオストクはインターネット経由で取得が可能な電子ビザにて入国することができ、同じロシアでも、渡航手続きの容易さが大きな要因と考えられます。治安も良く可愛いカフェが多く、新しい女子旅のトレンドとなっております。

 3位には今年9月末までビザが緩和されているミャンマーがランクインしました。昨年10月より1年限定で試験的に緩和したことにより、ミャンマーへの日本人渡航者数は24%増加しております。(注3)世界三大仏教遺跡のひとつパガン遺跡は、今年、世界遺産に登録の勧告がされており、決定した際にはますます注目度が上がると考えられます。
(注3):ミャンマー観光連盟2019年1月~4月の渡航者数より

 4位には中国西北地方最大の都市でシルクロードの出発地点でもある西安がランクインしました。長く「長安」として1,000年以上、都として栄えた歴史を体感できる都市です。近年、漫画や映画でも公開された秦の始皇帝にゆかりの地でもあり、40~50代男性からの予約が多くございます。また、7月1日より、関空-西安線が週3便で、静岡-西安線が週4便で新規就航することから、各地域から行きやすくなったことも背景にあると考えられます。

 5位にはバルセロナがランクインしました。ガウディの没後100年の節目となる2026年にはサグラダファミリア大聖堂が完成する予定です。現在2つのファサードが出来ておりますが、完成後は正面も変わり、今とは外見がかなり違ったものに感じると思われます。建築工事が始まったのは今から137年前ですが、建築許可が下りたのは今年6月という逸話がございます。

 

 働き方改革、有休取得の義務化により、以前に比べて企業で働く方のお休みは取りやすい環境になりつつあります。今年は増税前最後の夏休みとなります。増税による海外旅行消費への影響は現状未知数ではございますが、その時その時の景況感を含め多少の影響はあると考えられます。

 旅行の自由度指数が分かる「Passport Index」によれば、日本のパスポートがビザなしで渡航できる国は世界189か国と、現在世界1位です。これだけ優遇されているパスポートを保持できる日本は、海外旅行がしやすい環境にあるといえます。しかしながら、日本でパスポートの保有率は23.4%(注4)と、実に4人に1人しか保有しておりません。人口の高齢化など理由は様々ございますが、他国に比べ出国しやすい環境を活用していただき、海外旅行を通じてまだ見ぬ土地での素晴らしい体験をしていただきたいと考えております。
(注4):日本国外務省2018年旅券統計より

 

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