多様な人財の活躍
【人的資本経営に関する基本的な考え方】
HISグループでは、人財がHISの価値創造の源泉であると考え、社員一人ひとりが働きがいを感じ、心躍る仕事ができる基盤づくりを進めています。
HISグループの歴史は、旅行ビジネスの常識への挑戦からスタートしました。
HISの創業は1980年。当時の海外旅行者数は年間390万人程で、市場規模は2019年の5分の1程度でした。
当時は高額で団体旅行が中心だった海外旅行市場において、格安航空券を利用したFIT(Foreign Independent Tour)を取り扱う旅行会社の先駆けとなり、個人旅行・自由旅行という新しいマーケットの開拓への挑戦となりました。
そして創業50年目にあたる2030年に目指す姿(Vision2030)として創業の原点である「挑戦心」をメッセージの冒頭に掲げ、「挑戦心あふれ 世界をつなぎ 選ばれ続ける企業に Change&Create」を策定しました。
「挑戦」はHISグループの歴史であり、社員一人ひとりが心躍る挑戦ができるよう支援をすることによりHISグループの変革そして持続的成長を目指しています。
DEIB推進
社員一人ひとりがお互いを尊重し合い、自分らしく挑戦し、成長し続けること、そして多様性を力に変えていくことを目指しDEIB(Diversity,Equity,Inclusion,Belonging)を推進しています。
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女性活躍の推進
女性比率が高いHISグループにおいては、女性の活躍は重要テーマの一つと位置付けています。
2019年には専任組織として「D&I推進室」を設置し、2023年にはさらに範囲を広げ、「DEIB推進室」に改編しDEIB推進に取り組んでいます。
経営に参画する女性社員を増やすために、女性管理職・役員比率をFY2026 20%、FY2030 30%にするという目標を掲げ、代表取締役社長をリーダーとした、全国規模でのプロジェクトを立ち上げ、様々な取り組みを推進しています。またジェンダーに関わらず、仕事と育児を両立できる働きやすい会社を目指し、男性育児休業取得率FY2026 80%、FY2030 100%の目標を設定しています。>一般事業主行動計画([HIS単体]次世代法、女性活躍推進法)
▼HIS 実績および目標
FY2023実績 FY2026目標 FY2030目標 女性管理職比率 14.0% 20.0% 30.0% 女性役員比率 15.4% 20.0% 30.0% 男性育児休業取得率 65.6% 80.0% 100.0% ▼外部からの認定
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女性の活躍推進企業認定
えるぼし(3段階目)
(厚労省)
子育てサポート企業認定
くるみん(厚労省)
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子育て支援優良企業認定証
(熊本市)
全国DEIB推進プロジェクト
全国に拠点があるHISにおいては、同じ日本国内といえど、地区によって課題が異なってきます。そこで「全国DEIB推進プロジェクト」では、代表取締役社長をリーダーとし会社としてコミットをしながら、地区ごとに小分科会を設け、ボトムアップでの推進を実施しています。
また、DEIBの理解・浸透に向けたスタッフとの勉強会や育児休業から復職するスタッフ向けの座談会など草の根活動も積極的に実施しています。中四国事業部の座談会の様子
熊本市子育て支援優良企業認定
九州産交グループは、熊本市より子育て支援優良企業として認定されております。
育児短時間をはじめ小学校卒業まで取得できる子育て支援制度や、 ワークライフバランス支援センターの相談窓口の設置、独自の特別有給休暇制度など、子育てと仕事の両立ができる職場環境を整備しています。働く従業員だけでなく今後就職を考える方や地域の方にも、企業の取り組みを知っていただき熊本貢献企業として地域貢献に繋げていきたいと考えております。九州産交オートサービス
えるぼし3段階目認定の取り組み
ミキ・ツーリストでは育児・介護休業法改正時に、自分事として捉えてもらえるよう対象者を限定せず、全スタッフを対象にした説明会を実施し、その場に参加できなかったスタッフ向けにアーカイブ配信も実施いたしました。また、産休・育休前後のスタッフ本人や上司が安心して相談してもらえる窓口を設けております。
復職面談の様子
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様々な国籍の人財の活躍
HISグループでは事業のグローバル化に伴い、様々な国籍のスタッフが国内外で活躍しています。
グローバルな事業展開を支える海外拠点における人財の活躍も重要テーマの一つです。
FY2026には海外関係会社のNon-Japanese Manager比率65%を目標に掲げ、人財の育成・登用を進めてまいります。全世界でマネジャー向け評価者研修を開催
HISでは、2023年5月に新人事制度を導入し、評価制度についても刷新をしました。これに伴い、マネジャーに向けた評価者研修を導入し、日本国内だけにとどまらず、HIS海外法人マネジャー向けにも実施しております。
2024年1~2月にイスタンブール・ハワイ・バンコクにて全世界のHIS海外法人マネジャーが集結し、人事評価や人財育成への考えを深める機会を設けました。イスタンブールでの海外マネジャー研修
Great Place To Work®の「働きがいのある会社」に認定
カナダのRed Label Vacationsは、2023年12月にグローバルで信頼されるGreat Place To Work®による調査規準によって「働きがいのある会社」に認定されました。さらに2024年3月には、「Best Workplaces™ Managed by Women2024(女性マネジャーによる最良の会社)」にも認定されました。
Red Label Vacations CEO Nathalie Tanious/CHRO Diana Valler
すべての社員に対する教育体系を構築して継続していることや、キャリア開発の機会提供、メディカル・メンタルヘルスの福利厚生の拡充、チームビルディングイベントやホリデイパーティーの開催など、社員のモチベーションに繋がるための様々な事柄に取り組んできました。そして、何よりも社員間のコミュニケーションをとても大切にしています。この受賞を皆で喜ぶとともに、受賞で終わりではなく、さらに進化し共通の目標に向かって力を合わせて、今後も取り組んでいきたいと思っています。
左:Nathalie Tanious CEO、右:Diana Valler CHRO
働きやすい職場づくり
【社内環境整備方針】
HISグループでは、行動憲章に「快適で安全な職場環境の確保」を定めています。
社員が明るく元気に生き生きと挑戦し続けられるように、身体的安全性はもちろん、心理的安全性が確保された職場づくりを推進し、ワークエンゲージメントの向上を目指します。
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健康経営の推進
社員の健康保持・増進のため、様々な指標を活用し、労働環境改善を図り、健康保険組合や産業医と連携して「健康経営」を推進しています。
・有給休暇取得の促進
・健康診断 二次健診受診率の向上
・ストレスチェック受診率の向上▼HIS 実績および目標
FY2023実績 FY2026目標 有給休暇平均取得率 68.4% 75.0% 健康診断 二次健診受診率 45.0% 70.0% ストレスチェック受診率 60.5% 70.0% -
多様な働き方の推進
ライフスタイルの多様性に対応して、副業制度、在宅勤務制度、再雇用制度や、フレックスタイム勤務、育児期間中の短時間勤務等を設け、多様な働き方を支援しています。
今後も多種多様な仕事やライフスタイルに応じた働き方の最適化を目指し、短時間勤務、短日数勤務、リモートワーク等、様々な制度のさらなる拡充を検討していきます。シニア社員の短時間・短日数勤務制度導入
HISでは、2024年5月に定年後再雇用制度を改定し、嘱託社員の短時間・短日数勤務を導入しました。
人生100年時代といわれる中、60歳以降の働き方の選択肢を増やし、一人ひとりに自分の人生プランに即した働き方を選択してもらうことで、定年後のライフキャリアの充実を支援していきます。
またその支援の一環として、資産形成への理解を深めるマネープランセミナーも実施しました。
マネープランセミナーの様子
人財の育成
【人財育成方針】
Vision2030「挑戦心あふれ 世界をつなぎ 選ばれ続ける企業に Change&Create」に則り、一人ひとりが大きな夢・目標を持ち、従来の考え方にとらわれず、自由な発想で考え、失敗を恐れずに、新しいことに挑戦する人財の育成に取り組んでまいります。
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自律したキャリア形成と多様な成長機会の創出
HISでは、毎年1回キャリアプランを自己申告する「キャリアビジョン制度」と連動し、2024年からは新たに「キャリアビジョン研修」を実施しています。
また申告だけではなく、希望する部署・仕事に自ら手を挙げることができる公募制度も行っており、スタッフ一人ひとりが自律的にキャリアを構築できる仕組みづくりを進めています。キャリアビジョン研修
HISでは社員一人ひとりが、これまでの歩みを振り返り、自身の強みや持ち味を再認識し、未来に向けての想い、夢や目標をイメージしていく研修を開催しています。
研修の後半では、未来年表を作成し、自身が踏み出すこれからの一歩を描き、仲間との対話から、自身の中にある想いをさらに探求していきます。
子育て世代の社員に向けては、育児と仕事の両立をしながらも、自身の夢や目標を手放さずに歩むためにはどうしたらいいのか、日々の生活で感じることを率直に語り合い、未来への一歩を考える機会となっています。キャリアビジョン研修の様子
20%プロジェクト公募
20%プロジェクト公募とは、現在の仕事はそのまま継続しながら、勤務時間の20%(週1回)を限度に、自分の本業とは違う「やってみたい」仕事にもチャレンジする公募制度です。
様々な部署が設定したテーマに対し、興味のあるスタッフが手を挙げ参画し、プロジェクト単位で協働していきます。
多様なバックグラウンドをもつメンバーが協働することにより、自分の挑戦してみたい仕事に関わること、様々な意見を取り入れることでの新たな気づきを通じた成長機会を創出してまいります。 -
変革期を主導するリーダー人財の育成
HISグループにおける変革そして持続的成長のためには次世代をリードする人財の輩出は必須と考え、計画的なリーダー育成を実施します。
次世代リーダーの育成「HIS Future Project」
HISでは20代、30代の社員が全国から集まり、「マーケティング」をメインテーマとして学習を深めながら、部署を超えて複数のチームにわかれ、チームで協働して未来に向けて挑戦したい新しいアイデアを提案していく選抜研修を開催しています。
●【視座の高さ】会社視点や事業視点で考える経験
●【視野の広さ】社外の取り組みを学ぶ(他社と交流研修を開催)
●【視点の違い】多様な視点から捉え、アイデアをカタチに、アウトプットする経験研修を通じて、上記に挑戦し、一人ひとりが夢や目標、未来への新たな一歩を踏み出し、HIS Group Purpose “「心躍る」を解き放つ”を実現するための4つの行動指針の一つ、「冒険と挑戦」に繋がる場となりました。
HIS Future Project 研修風景
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社員満足度調査
HISでは、全社員を対象とした「社員満足度調査」をFY2013より毎年1回行ってきましたが、コロナ禍で中止を余儀なくされ、FY2023に4年 ぶりの実施となりました。
最終設問である「総合的にみて、HISは働きがいのある会社だと言える」という項目の肯定回答率については、前回FY2019より5.6ポイント アップの56.1%となりました。
そして今後の方向性として、「平均評価が低かった設問」「働きがいへの相関性が高いが、全体の平均評価よりも評価が低い設問」に注力し 取り組んでいくことで、FY2026には働きがい指数80%を目指すことをスタッフに向けて共有しました。
より働きがいのある会社を目指して、今後もスタッフ一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、DEIBの推進、働きやすい職場づくり、人財の育成に取り組んでまいります。FY2023実績 FY2026目標 働きがい指数(※) 56.1% 80.0% ※社員満足度調査で「働きがいのある会社である」と答えた割合
過去の推移
お客様への安心・安全の提供
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オンライン研修の様子
旅行の安全・品質管理
HISでは、お客様に安心安全で品質の高い旅行商品を提供し、国内外での旅を楽しんでいただくために、HIS独自の「品質安全管理ガイドライン」を作成し、HIS海外支店ならびにお取引先様にも周知を図り、品質管理および安全管理に努めています。
車両やオプショナルツアー等の取り扱いにおいては、適宜実査を行い精査したうえで選定しています。
また、旅行商品の造成においては、安全管理に対する社員の知識・見識向上のための社内研修を定期的に実施しています。
「また次もHISを利用したい」「やっぱりHIS!」とお客様に選ばれる会社であり続けられるよう、引き続き取り組んでまいります。
地域社会との共生
地域社会との共創
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建設した小学校
人々の交流を通じて社会課題に向き合う旅 ~スタディツアー~
HISでは、交流を通して相互理解を促進し、ともに持続可能な社会を実現することを目指してNGOやNPO、地域自治体等と連携してスタディツアーに取り組んでいます。中でも、カンボジアの子どもたちと交流するスタディツアーは2010年より継続的に実施しています。カンボジアはポルポト政権時代の影響を受け、現在も教育人材や学校の設備が整っておらず、一人の子どもに対して授業の時間を十分に確保できず、二部制での授業を余儀なくされている現状があります。また、都市部と農村部の教育格差が広がっていることも、大きな課題です。その状況を解決すべく、2017年春にはNPO法人HEROと協力して子どもたちが無償で通える公立の小学校を建設しました。その後も現在まで、計5校の小学校、および学校内の遊具や図書館の建設に携わり、これらの建設作業には、日本からもツアーとして多くのお客様が参加しています。また完成した後も、学校を訪問するスタディツアーを継続的に実施しています。ツアーでは課外授業を通して、カンボジアの子どもたちに学びの場を届けるとともに、ツアー参加者の方々にとっても、国境や文化を超えた交流の場を提供しています。今後も世界の人々の相互理解を促進し、世界平和に繋がるサステナブルな旅を提案してまいります。
▼外部からの認定
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JATAは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。第1回 JATA SDGsアワード
大賞・奨励賞(2023)
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ツアーグランプリ2023
SDGs部門グランプリ
第1回「JATA SDGsアワード」で大賞を受賞
一般社団法人日本旅行業協会(JATA)が主催する第1回「JATA SDGsアワード」において、HISのカンボジアの子どもたちに学びの機会と楽しさを届ける継続的な取り組みが評価され、大賞を受賞しました。
HISではこの取り組みの他3部門、1グループ会社(ツアー・ウェーブ)で奨励賞を受賞しています。授賞式の様子
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マヤ民族の方々とプロジェクトメンバー
伝統文化の継承と女性支援 ~マヤ刺繍プロジェクト~
メキシコ法人では、コロナ禍で観光収入が途絶え厳しい生活を余儀なくされていたメキシコ・ユカタン半島に住むマヤ民族の末裔の方々の生活を支援するため、2020年から「マヤ刺繍プロジェクト」を運営しています。このプロジェクトは現地で12年間マヤの村々を支援している、政府認定のNPO法人「Asociacion Pro-Dignificacion de la Mujer Maya. A.C.(日本語名:マヤ女性の尊厳を守る会)」とともに立ち上げ、クラウドファンディングを通して日本の皆様からも多くのご支援をいただき事業としてスタートすることができました。
マヤ伝統刺繍は、カラフルな色使いと、自然と共存して生きるマヤ民族の独特の感性が特徴の美しい刺繍です。プロジェクトではマヤ民族オリジナルの刺繍が施された商品を開発し、マヤ村オリジナルのブランド「COCOMAYA」を立ち上げ、ECサイト「Maya Mexico」を開設し販売を行っています。また、マヤ刺繍の商品に加え、メキシコ産の自然や環境に配慮したサステナブルな商品も取り揃えて販売しています。
現在はHISのメキシコ・ユカタン半島のツアーにマヤ刺繍のハンカチを特典ギフトとしてご用意し、ツアーに参加いただくことで支援に繋がる「サステナブルトラべル」を提供しています。今後は、工房の設立によりマヤ民族の女性へ就労機会を提供し、女性の社会的な地位の向上や賃金の増加による生活レベルの改善、子どもへの教育や衛生管理を促進することを目指しています。 -
手工芸品「Koroipita Angels」
災害に強い住宅提供の支援
フィジー法人では、サイクロン被害が甚大なフィジーで貧困層の支援を行うModel Town Charitable Trustのプロジェクトを支援しています。このプロジェクトは、貧困層のために災害に強く衛生的な住宅を提供し、教育や医療支援、職業訓練、インフラ整備等のコミュニティ開発を行っています。
HISでは、コミュニティの女性の手作業で生み出された手工芸品「Koroipita Angels」をツアー参加の特典ギフトとして参加者の方々にお渡ししたり、HISのツアーパンフレットで紹介したりするなど、ツアーに参加いただくことで支援に繋がる「サステナブルトラベル」を提供し、この活動の認知度の向上を図っています。 -
TravelBrandsからSickKidsへの寄付金贈呈
チャリティーイベントでカナダの小児医療を支援
カナダのRed Label Vacationsは、旅行事業ブランドTravelBrandsにて、SickKids(トロント大学付属のカナダ国内最大の小児医療センター)を支援するチャリティーゴルフイベント「TravelBrands Annual Charity Golf Classic」を2014年から開催し、2023年9月に開催された8回目では30万カナダドルの寄付金が集まりました。またRed Label Vacationsにおいても、売上の1%を寄付するSickKidsデー、社員向けのチャリティーウォーキングイベントを毎年開催しています。これまでの様々なチャリティー活動で集まったSickKidsへの寄付金は200万カナダドル以上となり、集まった寄付金のすべては、子どもの心臓病治療・研究の発展と、次世代の専門家の育成、設備の改善をするために使われています。これからも、イベントを継続的に開催して、参加者同士の交流促進や健康増進の機会を提供するとともに、子どもたちの健康な未来を願い地域医療に還元する取り組みを続けてまいります。
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鹿児島セミナーの様子(ベトナム)
地域の交流人口創出の取り組み
HISでは、自治体と連携し、交流人口創出の取り組みを行っています。
鹿児島県では、2022年2月に「インバウンド観光推進に関する協定」を締結し、その後2023年11月には鹿児島県・ベトナム航空・HISの3者で観光促進に向けた連携協定を締結し、定期フライトのない鹿児島ーハノイ(ベトナム)間にベトナム航空がチャーターフライトを運航しました。
HISではベトナムツアー、鹿児島ツアー双方をそれぞれの国で企画・販売し、ベトナム法人では、鹿児島県と協力して主要旅行会社を集めた鹿児島の魅力を伝えるセミナーを開催しました。
これからもHISのグローバルネットワークやリソースを活かして、旅を通した地域の活性化に寄与してまいります。 -
鳥取県プロモーションイベントの様子
地域の魅力を国内外にプロモーション
HISでは、自治体と連携して、観光・物産プロモーションやイベント実施、国内外のSNSプロモーションを手掛け、国内外の方々に日本の地域の魅力を発信しています。
HISが運営する原宿ツーリストインフォメーションセンター(外国人観光案内所)では、海外の方向けに地域の観光・物産プロモーションイベントを開催しており、2023年1月に行った鳥取県のプロモーションでは、県の観光案内パンフレットやポスターの設置、多種多彩な特産品のディスプレイの展示、あわせてエリアやテーマに沿って展示する特産品に関するイベントを開催しました。いつも多くの人で賑わっている原宿でのプロモーションは、国内外の方に鳥取県の魅力に触れていただく機会となりました。
これからもHISのリソースを活かして、様々な形で国内外に地域の魅力を発信し、地域の交流人口、関係人口、定住人口の増加に寄与してまいります。岐阜県・美濃市で地域にも喜ばれる観光開発を目指す
清流・長良川、板取川と自然豊かな山々に囲まれた岐阜県中心部に位置する美濃市は、江戸時代の情緒が残る街並みや、手漉和紙技術がユネスコ無形文化遺産として登録された「本美濃紙」が有名です。ここに2021年より地域連携マネージャーとしてHISスタッフが出向し、国内旅行の需要創出、訪日外国人旅行者の受け入れ体制整備の活動をしています。
美濃和紙 灯アート展撮影会 ©atsushi.k.photography
地域連携マネージャー 高橋正樹(HIS 中部事業部)
美濃市は豊かな自然と古い街並みが人々の暮らしと共存する魅力的な地域です。私がここに着任した年には、地元の酒造を巡る体験型バスツアーや、多言語対応の美濃市デジタル観光マップアプリの開発に取り組みました。観光開発の過程で、美濃市の魅力を伝える映像や画像素材が不足していることを課題に感じ、これを解決するためにドローン空撮大会やプロ写真家との共同撮影会を企画・実施しました。季節ごとに開催したドローン空撮大会では、美濃市の美しさを異なる視点から捉えることができ、その映像作品をYouTubeや観光物産展などで発信し、地域の魅力を広く伝えることができました。地元の方からは、「新たな視点から美濃市を見ることで、地元の魅力を再認識できた」との評価をいただきました。
また、江戸時代の情緒が残る街並みを背景に「美濃和紙」を使ったアート作品が幻想的に光る「灯アート展」にあわせて写真撮影会を開催。撮影された写真がSNSで拡散され、美濃市のPRに大いに貢献しました。これからも地域の方々とのコミュニケーションを大切にし、訪れる方と地域住民双方に喜ばれる持続可能な観光開発を目指していきたいと考えています。
社会の未来のための取り組み
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生徒さんによるプレゼンの様子
地元の高校生と県産食材を活かした商品開発
九州産交グループが運営する九州自動車道宮原サービスエリアでは、2023年9月より熊本県立南陵高等学校の生徒さんとコラボレーションしたソフトクリームを販売しています。「熊本県の魅力をPRできるソフトクリーム」をテーマに、県産食材を使用したソフトクリームのメニュー案を募集し、55名の生徒さんにご参加いただきました。その中から書類審査とプレゼンを行い厳選なる審査の結果、「モンブラン風ソフトクリーム」と「岳間茶ソフトクリーム」の2種類の販売が決定し、販売開始から1週間で400食以上を売り上げました。売れ行きが好調だったため現在も通常商品として販売を行っています。また、同校の生徒さんが栽培する「南陵米」も毎年11月に宮原サービスエリアで販売しています。九州産交グループは、これからも地元の学校や生徒さんとの関わりを深め、活躍の場を提供するとともに、地域活性化に取り組んでまいります。
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粉砕したペットボトルキャップ
海洋プラスチックごみ問題を考えるワークショップ
自然豊かな三河湾に面するラグーナテンボス「ラグナシア」では、次世代を担う子どもや若者が、海に親しみ、未来へ繋がる行動を起こすきっかけ作りとして、ペットボトルキャップを使用したお子様向けリサイクル体験ワークショップを2023年9月より定期的に開催しております。ペットボトルキャップを自転車シュレッダーで粉砕後、専用機械で熱し、型に流し込むことで、オリジナルのキーホルダーを作成するワークショップです。今年度は計7回実施、265名様にご参加いただきました。
近年海洋プラスチックごみ問題が深刻化している中で、このワークショップを通じて、海を守るために日常の生活で何ができるのかを考える機会になればと考えております。 -
イメージ
オンラインお仕事体験プログラム
HISが運営する旅好きの方ならどなたでも参加できるオンラインサロン「TABIFLEEEEEK(タビフリーク)」では、お子様向け「おしごとけんがく」プログラムを定期的に実施しています。これはHIS社員とサロンメンバーが共同でオンライン配信する無料プログラムです。
このプログラムは2022年より5回実施し、これまで消防士、イラストレーター、水族館の職員など30種類以上のお仕事の方にお話しいただき、約4,250名のお子様にご参加いただきました。
無料のオンライン配信でこうした機会を提供することにより「子どもたちの体験格差」を解消し、仕事を自由に楽しく選択できる未来に繋がればと考えております。 -
HR Lab.ウェビナー
日本の「働く」を元気に ~HR Lab.~
HISでは『働く人に「輝き」を』というスローガンを掲げてHR Lab.(HRラボ)を2022年より運営しています。ラボでは、人事領域で悩みを抱える企業担当者の方々のパートナーとなり、課題解決に貢献することを目的として、情報提供とソリューション提供を行っています。
情報提供の一環としては、人事・研修関係の情報発信の場としてコミュニティサイト「Hcross」を運営。開設から2年弱で450社800名の会員登録をいただきました。会員向けイベントとして、人材育成・女性活躍・エンゲージメントなどの人事課題をテーマとしたConferenceの実施や交流会などを定期開催し、先進企業の事例を学び、人事ご担当者様同士で情報交換する場を提供しています。また、ご要望に応じて人事領域の課題解決のための各種ソリューション提供なども行っています。
さらに、企業・官公庁の人事課題として健康経営が注目されていることを受け、2024年2月には、公益財団法人と健康経営の推進に関する包括連携協定を締結。専門的知見を活かした情報やコンテンツ提供を行い、健康経営の推進にも寄与してまいります。
誰もが世界と繋がれるサービスの提供
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ユニバーサルツーリズム ツアーの様子
ユニバーサルツーリズム
HISでは、お身体の不自由な方、健康に不安のある方、障害のある方にもご旅行を楽しんでいただけるよう、日本国内のHIS店舗でご予約の際に健康アンケートを実施し、お客様の状況を把握したうえで旅行の提案や手配を行っています。また、HISのグローバルネットワークを活用して旅先での受入体制の整備もワンストップで行っております。
よりきめ細やかなサポートを必要とされるお客様向けには、2002年より「ユニバーサルツーリズムデスク」を設置し、介護・福祉関連の専門知識を持ったスタッフや手話のできるスタッフが旅行の相談から手配・同行まで担当することで、いつでも自由に気兼ねなく旅を楽しめるようにお手伝いさせていただいております。
2024年1月より、車椅子旅行をより自由にお求めやすく楽しんでいただくために、「車椅子利用の現地発着ツアー」の販売を開始しました。ツアーは、車椅子旅行の個人手配が難しい人気観光都市トルコ・イスタンブール、エジプト・カイロから提供を開始。日本語ガイドが現地の行程を同行し、ホテルはバリアフリールームに滞在、観光では車椅子の動線を確認したルートを福祉車両でご案内いたします。これからも、長年培ってきたノウハウを活かして、安心してより快適にご旅行を楽しんでいただきたいと考えております。
[障害、車椅子の表記について]HISでは、公的文章や条約と表記を揃え、固有名詞を除き、原則として漢字での表記にしております。
▼External evaluation
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ツアーグランプリ2021
『観光庁長官賞』
第5回 ジャパン・
ツーリズム・アワード
国内訪日ビジネス部門
入賞(2019) -
ASEANツーリズム・アワード・
ジャパン2019 メコン賞
手話通訳付きのアメリカ野球観戦ツアー説明会を開催
2023年7月に新宿本社営業所にて「ロサンゼルス・A野球観戦ツアー」の旅行説明会を手話通訳付きで開催しました。
スポーツ観戦ツアーの中でも人気が高いこのツアーは、渡米の目的自体が試合観戦というお客様も多いため、基本的な旅の情報だけでなく、球場へのアクセス・入場方法をはじめ、観戦席情報等「知っているとさらに楽しめる」情報を、野球観戦ツアー添乗経験のあるHISスタッフが細かにお伝えしました。そこに、自身も聴覚障害を持つHISスタッフが同時手話通訳者として入り、聴覚障害があるお客様にも説明会にご参加いただきました。お客様も旅行出発前の不安が大きく解消されたようです。観戦ツアーにはトラベル手話通訳サポーター※が同行したことで、ツアー中も不自由なくご旅行や試合観戦を楽しんでいただきました。
これからも、障害の有無に関わらず、誰もが楽しめる旅の提案をしてまいります。
※トラベル手話通訳サポーター:旅に同行して、現地ガイドの説明や搭乗手続きなど旅における情報を手話通訳するHIS独自のサービス。HISユニバーサルツーリズムデスクでは、トラベル手話通訳サポーターが同行し案内する募集型ツアー『しゅわサポ』、聴覚障害をもつ手話対応専任添乗員が同行する募集型ツアー『しゅわ旅なかま』を企画販売しています。
ツアー説明会の様子
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オンライン体験ツアー(イメージ)
オンライン体験ツアー
コロナ禍に誕生したオンライン体験ツアーでは、観光からショッピング、占いなど国内外の様々なコンテンツをご用意しています。2020年のサービス開始以来、総累計15,000コース以上、総勢30万人以上の方にご参加いただいています。録画コンテンツだけでなく、24時間ライブツアーや世界の初日の出ツアーなど、HISのグローバルネットワークを活かした特別企画も開催し、海外旅行へでかけることが難しい方にも気軽に世界と繋がれる機会を提供しています。